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オフィス・店舗の内装仕上げデザインを考える ◆タイル◆

オフィス・店舗の内装仕上げデザインを考えるとき、空間のどこかにアクセントを持ってきたり、異なる素材の合わせ方に工夫してみたりと、その手法は様々あります。ここでは、内装材のひとつであるタイルに注目し、その特徴や種類などについて探ってみたいと思います。

生まれも育ちも東海地方

タイルの歴史

 

タイルの歴史

美濃焼タイルは、大正3年に多治見市で生まれました。

このタイルの生産技術は1300年を超える「美濃焼」の伝統と技術に支えられ、そして今もなおタイルの生産は岐阜・愛知県が90%を占めています。

そして、昭和初期には岐阜県笠原町で磁器質施釉モザイクタイルが誕生。耐久性、耐水性に優れ、釉薬の独特の発色が魅力のモザイクタイルは、戦後復興期から昭和30年代の建築ブームの中で発展してきました。笠原町は現在、国内屈指のタイル生産地として知られています。

 

タイルの特徴を知る

タイルの特徴を知る

タイルは耐久性と意匠性が特徴ですが、それにはタイルの製法が大きく関わっています。

タイルの製法には湿式製法と乾式製法の2種類がありますが、どちらも原料を成形して釉薬をかけた後、窯に入れて焼き上げるという基本的な流れは同じです。タイルはこの製法によって、焼き物としての温かみのある表情が生まれます。

タイルの表面は、二次加工によってフラットなものから粗いものまで様々あり、さらに釉薬の有無によってもその表情は多様に広がります。釉薬とはタイルを焼く前に塗っておく薬品で、焼成によってガラス質となって水の浸透を防ぎ、色ムラやツヤが生まれます。この釉薬の種類や組み合わせ、かける回数などによって、タイル表面の表情は無限に広がるのです。

 

素材の質感を活かした空間を創る

素材を活かした空間を創る

タイルはその製造方法から分かるように適度にバラつきがあります。それが他の内装材と大きく違う特徴で、1枚1枚の表情こそが意匠性を高めてくれるのです。

オフィスや店舗などでは、その内装デザインによっては、個性を適度に抑えたやさしい風合いがマッチする場合もあると思います。また、ツヤのある表面仕上げのタイルは、自然光や照明など光の当たり方で表情が変わります。視線が動くたびに見え方が変化していきます。

モザイクタイルは、ひと昔前は水回りに使われる印象が強くありましたが、それだけでなく空間のアクセントとしても効果的です。また、表面に凹凸があるタイルやガラス質のキラキラしたタイルなども、空間の主役としてデザインするとぐっとその存在感を感じられるかもしれません。

 

目地を活かす

目地を活かす

タイルを施工する場合に必要なのが目地。

目地の役割としては、タイル1枚ごとのサイズのバラつきを調整する、下地に収縮があった場合にの緩衝材の役割、水の侵入や汚れを防ぐ、など施工面での役割が挙げられますが、意匠的にも影響があります。目地の色をなじませたり、あるいは発色の良いものやラメ入りの目地材を使ってまた違った表現をするという方法もあります。

目地のパターンにも色んなパターンがあります。目地によっても印象はガラッと変わってくるので、仕上がりをどのようなイメージにしたいのかを考えてみる必要があります。

 

多治見市モザイクタイルミュージアム

多治見市モザイクタイルミュージアム

岐阜県は国内屈指のタイルの生産地ですが、それを象徴するようなステキなミュージアムが2016年に誕生しました。

藤森照信氏設計のかわいらしいフォルムのファサードがとても印象的です。タイルの魅力を発信すべく、膨大なタイルのコレクションを基盤に、この地域で培われてきたタイルの情報や知識、技術を発信されています。たくさんのタイルに触れることができるだけでなく、建築そのものも楽しむことができますよ。

 

多治見市モザイクタイルミュージアム

 

多治見市モザイクタイルミュージアム

 

ヴォーエルのブログでは、以前、私が多治見市モザイクタイルミュージアムを訪れたときの記録をご紹介しています。もしよろしければこちらもどうぞ。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

タイルは、形状や色、テクスチャーの豊富さ、機能性の高さなどからも、仕上げ材には欠かせない存在です。

”焼き物”としての温かくやわらかい風合いは、空間の中に取り入れると一段とその存在感を感じられます。ひとつとして同じものがなく、とても意匠性が高い素材です。目地の色やタイルの貼り方でもその印象はガラッと変わってきます。ぜひ、デザインによって自在に使い分けみてください。