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7/7、アゼルバイジャンで開かれているユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会で、アメリカの建築家 フランク・ロイド・ライト(1867~1959)の建築群の世界文化遺産登録決がまったそうですね!

 

フロンク・ロイド・ライトは、ル・コルビジェ、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエと並んで、近代建築の3大巨匠と言われています。

そんなフランク・ロイド・ライトのアメリカの建築群8件が、今回世界遺産に認定されました。

 

ライトの設計業績は1000件以上とも言われており、多作の建築家。

ここ日本でも5件の建築を残していまが、現在、ほぼ完全な形で残っているのは、東京・池袋にある自由学園明日館と兵庫県芦屋市にあるヨドコウ迎賓館(旧山邑邸)の2件だけなのです。

 

ならば、行かなければ!!

と思い立って、週末はふらっとひとり建築探訪に出かけてきましたよ。

ヨドコウ迎賓館(旧山邑邸)。

ライト建築に出会う!ヨドコウ迎賓館

 

ライト建築に出会う!ヨドコウ迎賓館

 

こちらとても素敵な建物なので、改めてブログの中で”建築探訪記”としてたっぷりご紹介したいと思います。

 

アクセスは阪急・芦屋川駅から徒歩10分ほど。

坂道を登って行くと、ゆるやかな山肌に沿って階段状に建てられた建物が迎えてくれます。静かな住宅街にしっとりとなじんだ建物からは、六甲の山並みや芦屋の街並み、大阪湾までを眺望できます。

 

建物の保存修理のため2016年から2年3か月の工事を経て、今年2月にリニューアルオープンされました。古い建物であるが故に、漏水をはじめかなり傷んでいたそうですが、あくまでもライト設計を忠実に再現されたそうです。

 

大阪からも意外と近く、巨匠の建築に出会えます。

(何と入館料はワンコイン。とても余計なお世話ですが、もう少し払った方が良いのではないかと心配…)

ぜひ、機会がありましたら足を運んでみてください!

 

 

さて、せっかくの機会なのでちょっとお勉強。

3大巨匠と称されるル・コルビジェとルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ、そしてフランク・ロイド・ライトそれぞれの建築の思考や代表作について少し調べてみたので簡単にご紹介します。

 

■ル・コルビジェ

スイスで生まれフランスを中心に活躍した建築家で、近代建築の創始者的存在と言われています。

 

かつて西洋では煉瓦などの組積造による建築が伝統的でしたが、コルビジェは、スラブ・柱・階段のみが建築の主要素だとするドミノシステムを考案しました。

近代建築の五原則として、ピロティ・屋上庭園・自由な平面・水平連続窓・自由な立面を提唱し、これを基に設計されたサヴォア邸も有名です。

サヴォア邸

写真出典:Wikimedia Commons

 

■ミース・ファン・デル・ローエ

20世紀のモダニズム建築を代表するドイツ出身の建築家。ミースは、鉄の柱と梁によって建物を支えるという骨組構造(ラーメン構造)を取り入れることで、内部空間を最大限広くし、利用者が必要に応じて自由に使用でき、内部と外部が一体化したユニバーサルスペースという概念を提唱しました。

これを表現したものとして有名なのがファンズワース邸。

キッチン・浴室・トイレを家の中心にコアとしてまとめ、その周りは仕切りのないオープンスペースとなっています。四方はガラスで囲われ、装飾は排除しシンプルで美しいプロポーションの建築です。

ファンズワース邸

写真出典:Wikimedia Commons

 

■フランク・ロイド・ライト

ライトが生涯を通じて提唱したのが「有機的建築」という思想です。土地と建物が一体化した形状、自然物をモチーフにした装飾・造形など、さまざまな視点がありますが、その原点は「自然から学ぶ」ということであると言われています。

初期の頃、アメリカ中世部の大草原地帯にふさわしく高さを抑え水平ラインを強調した「プレイリーハウス」を提唱して住宅建築家としての地位を確立します。

その後の約25年は不毛の時代と言われ、大恐慌の影響もあり国内での仕事が激減しました。彼が日本の帝国ホテルの依頼を受けたのはこのような時期でした。そして、プレイリースタイルで立てられた東京・池袋「自由学園明日館」、ライトの業績の中では珍しく避暑を目的としたシェルタータイプの「旧山邑邸(現ヨドコウ迎賓館)」などの作品が日本に残されています。

その後、ライトが69歳の時に彼の最高傑作と言われる「落水荘」が完成しました。そして、「貧富に関わらず、豊かな住生活が保証されなければならない」という考えの基、手頃な価格で住み心地の良い小住宅やプレハブ建築にも積極的に取り組みながら、魅力的な建築をたくさん残しました。

落水荘

写真出典:Wikimedia Commons

 

私が今回こちらのヨドコウ迎賓館を初めて訪れたのは、10年以上前。まだ学生の頃。

 

今こうして改めて建築について勉強してみたり、巨匠と言われる建築家の建物に触れたりすると、当時とはまた違った感覚を覚える部分もあって、改めて面白いなと感じました。

ライト建築に出会う!ヨドコウ迎賓館

 

まだまだ色んな建築に触れてみたい気持ちがムクムク湧いてきます。

みなさま、素敵な建築をご存じでしたら、ぜひご一報を!

一緒に建築探訪に出かけましょう!

 

 

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