今回ご紹介するのは、岐阜県にある多治見市モザイクタイルミュージアム。
多治見市笠原町は、施釉磁器モザイクタイル発祥の地にして、全国一の生産量を誇る町。
2016年、そんな場所に誕生したのがこちらのモザイクタイルミュージアムです。
単調な壁や床を彩り、楽しい景色を作り出すことで、ひとやまちを元気にしてくれるタイルの魅力を知ってもらうため、膨大なタイルのコレクションを基盤に、この地域で培われてきたタイルの情報や知識、技術を発信されているとのこと。
設計は、藤森照信氏。
独創的な外観は、タイルの原料を掘り出す「粘土山」を思わせる地場産業のシンボルとして、とても印象的です。
まあるい山のような、かわいらしい外観。
遠目から外観が見えただけで思わずわくわく！
「建築物を構成する素材の中で最も根源的なものは何か」という問いに、「土」とおっしゃっている藤森氏。
こちらのミュージアムで展示されているタイルもまた、原点は「土」。
外壁は、そんな「土」を思い起こさせるような仕上げで、よーく見るとそこにはタイルがたくさん埋まっています。そこに点在する小窓は思わず覗きこみたくなります。
エントランスへの扉は、このいびつな、何とも小さくてかわいらしい形。
中には一体どんな空間が待っているのだろうと、扉を開けるのもわくわく！！
あ、庇にもタイルが!
もちろん建物内部は、いたるところにタイル。
あちらにもこちらにもタイル。足元にもタイル。階数表示にもタイル。
もう、かわいくてたまらない…！
きゅんきゅんするような仕掛けがいっぱいです。
薄暗い階段は、屋上からの自然光がとても印象的。
登り切った先には一体どんな景色があるのだろうと、惹きつけられます。
館内はほとんど写真を撮れなかったのですが、この階段の先、4Fの屋上展示スペースをHPより抜粋。
タイルであふれたアートな空間が広がっていました。
日本で流通しているタイルのほとんどが、この多治見市笠原町で作られているとのこと。
その歴史や様々なタイルが館内にはたくさん展示されています。
デザインや色味も豊富で見ているだけでもとても楽しいのですが、体験コーナーもありますよ！
唯一残念だったのが、閉館時間に追われながら駆け足で回らなければならなかったこと…
2016年6月オープンのこちらのミュージアム。
私はオープン当初に訪れたのですが、また機会を見つけて今度はゆっくりと行きたいなと思っています。
その頃には、建物の輪郭を覆うようにちょこちょこと生えていた植物も大きくなって、また違った表情に出会えそう！
藤森氏設計の建物は、まるでジブリの世界の中にでも迷い込んだかのような気持ちにさせてくれます。
子どもの頃のように新しい扉を開くワクワク感を思い出したり、まるで異世界に飛び込んだような気持ちになったりと、心を動かされるような場面に出会う度に、改めて建築や空間デザインの力を実感します。
素敵な美術館も、建築も、まだまだ知らない場所がたくさん。
日々アンテナを張って素敵なデザインに出会いに行って、自分の引き出しを増やしていきたいと思います！
ooi
