オフィス・店舗に名作の椅子を置く◆ミヒャエル・トーネット◆
(写真引用:TABROOM)
オフィスや店舗に欠かせない家具。
家具の中でも、デザイナーや職人によって生み出されたとっておきの”名作の椅子“は、みなさんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
名作の椅子には、それが置いてあるだけで空間をガラッと変えてしまうような力が秘められています。そんな、現代も広く愛され続けている”名作の椅子”の数々。
中でも、”曲げ木製法”という非常に画期的な製法を開発し、大量生産による椅子の製作を実現したのがミヒャエル・トーネットです。
Michael Thonet ミヒャエル・トーネット
(1796-1871・ドイツ)
(写真引用:Wikipedia)
ドイツのなめし革職人の家に生まれ、1819年・23歳で家具職人として独立したミヒャエル・トーネット。
この時開いた工房が、現在でも有名なドイツのトーネット社の原点です。
1830年、トーネットが開発した”曲げ木製法”は大量生産できる家具への第一歩。彼はその後10年かけて曲げ木製法を追求します。
当時のウィーンは、「椅子といえば、そのほとんどがオーダーメイドで高価な家具として装飾性の高いモノしかなく、限られた人のための家具」という時代で、デザイン性を伴った市民の為の椅子というのはほぼ存在しませんでした。それに対して、「大衆のために、大量に生産できる家具をつくりたい」というミヒャエル・トーネットの思いが、曲げ木製法が開発される背景にはありました。
そして1859年、曲げ木椅子の原点”No.14(現214)”が生まれます。
この”No.14(現214)”は、不朽の名作として1859年から150年の間に、1億脚以上も販売された名作です。
(No.14 ・現214 写真引用:TABROOM)
また、コルビジェも愛用していたことでも有名なのが、No.6009(現209)。
別名”コルビジェ・チェア”とも呼ばれています。
(No.6009 ・現209 写真引用:TABROOM)
曲げ木製法
(写真引用:INNOCENT.INC)
トーネットが取り組んだ”曲げ木製法”の開発。
まず1830年に開発されたのが、3mm前後の薄い板を、ニカワを溶かした湯で煮て柔らかくし、これを数枚重ねて型に挟み、曲げて乾燥させて固定させるという製法です。この”合板による曲げ木製法”が、大量生産の第一歩となります。
その後、木材が本来持つ強度を損なわないために編み出したのが、木を蒸気で蒸して、鉄の型枠にはめて「曲げる」という方法です。さらに、ブナ材を材料として使うことで、安価に大量に仕入れることができるようになりました。湿気に弱くそれまで家具製作にはほとんど利用されなかったブナ材は、蒸気で蒸す曲げ木製法にはぴったりだったのです。
弾力性があり、軽くて強度があり、安価に製作できる”曲げ木製法”。
この製法を使って、トーネット社は次々と家具を製作していくことになります。
No.14
(写真引用:TABROOM)
1859年。それまでの曲げ木椅子をさらにシンプルに洗練された椅子”No.14”が誕生します。
誕生以来、150年間で1億脚以上販売された名作として、特に有名な1脚です。
何より画期的だったのは、ノックダウンという組み立て方式を初めて実現したという点です。
”No.14”は座面や脚など6つのパーツからできていて、工場からはパーツのまま出荷され、ネジを使って組み立てます。これによって工場の生産ラインは分業化されて生産効率はアップ、さらに大量輸送も可能になりました。さらに故障時などには、パーツごとの交換も可能になり、長く使うことができるようになったのです。
また、1867年のパリ万国博覧会では金メダルを受賞。大ヒット製品として、世界の曲木家具のアイコンとなりました。
(参考:Casa BRUTUS 特別編集2009年5月)
まとめ
トーネットの開発した”曲げ木製法”によって、それまでオーダーメイドの高価なものとして考えられていた椅子は、簡素で美しく、誰もが手に入れられるものとして大量生産が可能になりました。
No.14に至っては誕生以来、世界中で1億脚以上が販売されています。まさに、150年以上引き継がれているクオリティを体現しているようですね。
そして日本では、なんと無印良品「MUJI manufactured by THONET」として、このNo.14のリプロダクトが行われています。ドイツのトーネット社とともに、すばらしい家具たちを再び「多くの人が使える、当たり前で良質の家具」として蘇生させる挑戦が行われているのです。
MUJI manufactured by THONETはこちら >
巨匠コルビジェも愛したトーネットの曲げ木椅子。
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