オフィス空間の家具と収納のヒント

デザインのいいオフィスというのは、収納方法についても予めしっかりと計画されています。モノが見えないように収納するだけでなく、あえて「見せる」という方法もひとつ。整然ときれいに並べて「見せる」のか、あるいは雑多なようだけれど計算してモノを配置し、おしゃれに「魅せる」のか。

ここでは、そんな収納の考え方について改めて探ってみたいと思います。

「見せる」と「収納する」のバランス

「見せる」と「収納する」のバランス

例えば、その企業で扱っている商品サンプルなどを壁一面を使って大胆に見せる収納をする。そして、その隣には壁一面に造作で収納家具をつくって隠す収納スペースを設ける、という方法も考えられます。

「見せる」収納には、それぞれのスペースと用途に合わせて作れる”造作家具”の特徴を活かして、間接照明を入れて商品が映えるように展示。その他の物はきれいに隠して収納してしまう。そうして「見せる」収納をより際立てて、ショールームのようなスペースをつくっても良いかもしれません。

アピールしたいものは「見せる」、その他の雑多なものは「収納する」、そのバランスをとることで空間にメリハリが生まれます。

「魅せる」という収納

「見せる」と「収納する」のバランス

収納を、インテリアを飾るように「魅せる」スペースとして考えることもできます。

身近な例を挙げると、デザインにこだわってファイルを揃えるだけでもオフィスのキャビネットは一気におしゃれな印象に変わります。黒やグレーなどでファイルを統一し、背表紙には文字のフォントや大きさまで統一されたタイトルが並ぶ。整然と同じものが並んでいると、それだけでかっこいい。

またそれとは対照的に、ある壁一面だけにはぎっしりと進行中のプロジェクトのアイデアが貼り付けられている。一見アナログなようではありますが、視覚化することで、社内でプロジェクトを共有できるようなしくみをつくるのも面白と思います。

あるいは、工房のように工具をたくさん使う場所で、それらをすべて壁に掛けて保管する。非常に雑多なようでいて、バランスよく配置すると壁一面がデザインアートに生まれ変わります。

ルールが大事

ルールが大事

このように一言で収納と言っても色んな収納の考え方があります。ただ、オフィスはたくさんの人が過ごす場所なので、そのルール作りが何より大切です。

誰もが分かりやすく守りやすいルール作りに加えて、視覚的にそのルールを把握しやすい工夫があっても良いかもしれません。

まとめ

オフィスを計画していく中で、ゾーニングやレイアウト、内装には意識が向くのですが、どうしても収納については後回しになりがちです。

ですが、何をどこにどう収納するのか、見せるのか隠すのか、それによって既製品家具が必要なのか造作家具が必要なのかも変わってきます。そのため、収納のルール作りも含めて事前によく計画しておかなければなりません。地道な作業ですが、デザインのいいオフィスには欠かせない工程です。

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監修者

Hori Keiichiro

COO

お客様のご要望にお応えすることは当たり前と考え、プラスαの提案、施工を重視しています。その為には、十分なヒアリングによってクライアント様と同じ立ち位置になって考えることが一番大事だと考えます。
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