フリーアドレス制は、従来の固定席オフィスを革新し、社員が自由に席を選びながら働くワークスタイルです。
本記事では、フリーアドレスのメリット・デメリットや、導入する場合の進め方、フリーアドレスに向いている企業の特徴・職種などについて解説します。
導入するうえで浮上する課題の解決方法も解説しているので、オフィスの移転をご検討中の方は、ぜひご参考ください。

フリーアドレスとは

フリーアドレス制は、従来の固定席オフィスを革新し、社員が自由に席を選びながら働くワークスタイルです。このスタイルは組織内のコミュニケーションを活性化し、さまざまな人々との相互作用を促進します。
フリーアドレス制の導入により、自律的な働き方を促して、執務スペースの効率化にも寄与するでしょう。
しかしその一方で、部下の管理やプライベートなスペースの喪失といったデメリットも存在します。そのため、集中して作業したい時に使用できる個別ブースや、WEBミーティング用の声が漏れないような個室ブース等、用途に応じた様々なスペースを取り入れることも重要です。
成功の秘訣は、フリーアドレス制を導入する目的を全社員と共有して、適切な運用方法を確立することです。
実際、さまざまな業種でフリーアドレス制が採用されており、柔軟なオフィスレイアウトとして注目されています。
ABW(アクティビティベースドワーキング)を意識した多様なワークスペースの設計は、社員が快適に働ける環境を提供し、新しい働き方の実現を支援しています。

また、会社全体で取り入れる方法以外にも、在席率の低い職種のみフリーアドレス制を導入する方法や、あるいは部署の中でのみフリーアドレスにする(決められたエリアの中で毎日自由に席を選び、部署間のコミュニケーションの活性化に注力する)など、一言でフリーアドレスと言っても導入方法には様々なパターンが考えられます。

フリーアドレスの導入によるメリットは大きいですが、実際に固定席からフリーアドレス席へ移行するには、個々の資料の整理から始まり、社内のルール作りなども必要になります。準備にも慣れにも大きな労力を要します。
それぞれの企業において、フリーアドレス制を導入することによって何を目指すのか、その目的をはっきりさせて、社内全員で共有することが大切です。

フリーアドレスのメリット

「フリーアドレス」とは、従来の固定された職場環境から解放されて、自由で柔軟な働き方を促進する革新的なオフィススタイルです。

  • ・コミュニケーションが活性化する
  • ・自律的な働き方を促進できる
  • ・突発的な組織変更にも柔軟に対応できる
  • ・スペースを削減できる

フリーアドレスにより、新たな働き方の可能性が広がります。

コミュニケーションが活性化する

フリーアドレス制における「コミュニケーションの活性化」は、異なる部署のメンバーとの偶発的な出会いや交流を生み出します。
たとえば、完全フリーアドレス制では、毎日異なる席に座ることで、普段接点のない部署の人と隣り合う機会が増え、社内コミュニケーションが自然と活性化されます。
フリーアドレス制の導入により部門を超えた交流が促されて、新しい情報やアイデアの共有が促進されるでしょう。
この新しい働き方は、固定概念にとらわれない創造的な思考を促すと同時に、社員間の連携強化にも寄与しています。

自律的な働き方を促進できる

フリーアドレス制は自由度の高い働き方を可能にし、従業員の自律性を促進します。
従業員は業務内容に応じて席を選び、作業効率や生産性の向上が期待できるからです。
また、リモートワークやフレックスタイムとの相性も良く、働き方の多様化を支援します。
オフィススペースの有効活用によるコスト削減や、異なるチーム間のコラボレーション促進も大きなメリットです。
ただし、プライバシーや集中力の確保、チームのコミュニケーション維持には留意が必要です。フリーアドレス制を導入するには、従業員の意見を反映させることが重要であり、適切な運用と柔軟な調整が求められます。

突発的な組織変更にも柔軟に対応できる

フリーアドレス制は、突発的な組織変更にも柔軟に対応可能なワークスタイルです。
固定席がないため、部署の再編成やチームの変更が生じても、従業員はすぐに新しい環境に適応できます。
たとえば、急なプロジェクトチームの結成時、参加者は物理的な移動を最小限に抑えて、スムーズに協働を始められます。
さらに、オフィススペースの有効利用を促進して、組織のダイナミズムを高める効果もあります。
この柔軟性は、変化の激しい現代のビジネス環境において大きな利点となるでしょう。

スペースを削減できる

フリーアドレス制の導入によるスペース削減の魅力は、とくに外出が多い営業部門や会議の多い企画部門において顕著です。
これらの部門では在席率が低いため、フリーアドレス化によりオフィス空間を最適化し、スペース効率を大幅に向上させることが可能です。
具体的には、在席率が低いことから全員分の席数を確保せずに必要な数の座席数に抑えることが可能です。そこで生まれたスペースはリフレッシュスペースや個別ブースの導入など他の用途に活用することで、オフィス全体の効率化を実現できます。
この戦略により、企業はオフィスのコストを削減しつつ、働きやすい環境を提供することが可能になるでしょう。

フリーアドレスのデメリット

フリーアドレス制は、柔軟性と自由度を高める一方で、予想外のデメリットも挙げられています。

  • ・かえってストレスを感じる可能性がある
  • ・コストがかかる
  • ・部下の管理が難しくなる
  • ・荷物の管理に負担がかかる

これらの課題を理解して適切に対処することで、フリーアドレス制の真価を引き出すことが可能です。

かえってストレスを感じる可能性がある

フリーアドレス制では、固定席のない自由度の高い働き方が推進されますが、これが逆にストレスの原因になることもあります。
とくにセキュリティレベルの高い資料を扱う職種や紙媒体の書類を多く扱う職種では、席を頻繁に移動することが業務効率の低下や情報漏洩のリスクを高める可能性があり、このような部署では、フリーアドレスはあまり適さないと言えるでしょう。部署の特性に合わせて導入の有無を検討することも必要です。

また、固定席からフリーアドレスに移行することで、従来の既得権が剥奪されたと感じる社員も出てくる可能性があり、モチベーションの低下につながることも考えられます。
フリーアドレス制は柔軟性と効率化をもたらしますが、職種や個人の働き方によっては逆効果になることもあるため、慎重な検討と適切な運用が必要です。

コストがかかる

フリーアドレス制の導入には、費用面での考慮が必要です。
とくに、オフィスのレイアウト変更や必要なツールの購入が主なコスト要因となります。
たとえば、フリーアドレス用のデスクやパーソナルロッカー、モバイルバッグなどの購入には予算が必要です。
また、従業員の荷物管理や書類の整理にも特別な注意が必要で、これらのアイテムを導入することで、効率的な運用が可能となります。
しかし、これらの初期投資は、長期的なオフィス運用の効率化に対する貢献を見越して行われるべきです。

関連記事:オフィスのレイアウト変更の流れと業者選びのポイント

部下の管理が難しくなる

フリーアドレス制を導入することで生じる「部下の管理の難しさ」について考えます。
フリーアドレス制は、固定された席を持たず、自由に席を選べる制度ですが、これにより部下の居場所が常に変わるため、管理や連絡が困難になる可能性があります。
しかし、適切な運用方法を設定することでこの問題を緩和できるでしょう。
たとえば、グループアドレス制を採用し、特定のエリア内で席を選ぶ方法です。
これにより、部下が一定の範囲内にいることが保証され、管理やコミュニケーションが容易になります。
フリーアドレス制の柔軟性を活かしつつ、部下管理の課題を解決するには、事前の計画と社員への適切な周知が鍵です。

荷物の管理に負担がかかる

フリーアドレス制は、固定席に比べて個人の荷物や書類の置き場所が限られているため、効率的な収納ソリューションの導入が不可欠です。パーソナルロッカーやモバイルバッグなど、フリーアドレスに適したツールを用意することで、これらの問題を解決して、よりスムーズな業務運営を支援できるでしょう。
これらのツールは、荷物の持ち運びを容易にし、必要に応じて個人用品を安全に保管できるように設計されているからです。
フリーアドレス制は、オフィスの空間利用を最適化し、柔軟な働き方を促進する一方で、個々の荷物管理の負担を軽減するための工夫が必要です。

フリーアドレスを導入する場合の進め方

フリーアドレス制を導入する鍵は、計画と実行にあります。

  1. 1.フリーアドレスの目的を決める
  2. 2.運用方法を決める
  3. 3.座席数を決める
  4. 4.備品を揃える
  5. 5.従業員に周知する

これらの方法で、フリーアドレス制の導入は、効率的かつスムーズに進行して、オフィスの機能性とコミュニケーションを革新的に高められます。

フリーアドレスの目的を決める

フリーアドレス制を導入する目的を決定する際、その本質を理解して、徹底的に活用することが成功への鍵となります。
フリーアドレス制は単に座席の自由を提供する以上の意味を持ちます。
その目的は、社内コミュニケーションの促進、新たなアイデアの創出、そして業務の効率化にあります。
従来の固定席に縛られることなく、社員が自由に席を選ぶことで、異なる部署やチーム間の交流が生まれ、新しい発想やコラボレーションが促されるからです。
また、オフィススペースの有効活用により、無駄な空間を削減し、より効率的な環境を創出します。
しかし、フリーアドレス制の導入においては、目的の明確化と社内の準備が不可欠です。
目的が不明確であると、フリーアドレス化はただの席の入れ替えに過ぎず、期待される効果を得られません。
また、社員に対する十分な説明と理解がなければ、混乱や不便を引き起こす可能性があります。
成功するためには、フリーアドレスにする目的と利点を社員全員が理解して、運用ルールを明確に定めることが重要です。

運用方法を決める

フリーアドレス制の運用方法を決めるには、職種別の特性を考慮したアプローチが必要です。
たとえば、外出や会議が多い営業部門や企画部門は、フリーアドレス化に適しています。
これは、在席率が低く、スペースの効率化が可能だからです。
一方で、社内からの依頼や相談が多い総務、人事、経理などのコーポレート部門や、紙媒体やセキュリティの高い資料を扱う職種は固定席が適しています。
これらの職種では、情報の正確な伝達や業務効率が重要です。
座席の運用には、完全フリーアドレスとグループアドレスの2つの形態があります。
完全フリーアドレスでは、エリアを限定せずに席を選ぶことで、異なる部門のメンバーとのコミュニケーションが活性化されます。
一方、グループアドレスでは、特定のグループ内でエリアを指定し、範囲内で席を選ぶことで、部署内の連携が促進されます。

座席数を決める

フリーアドレス制の導入にあたって、座席数を決めることはきわめて重要です。
座席設定率、つまりフリーアドレス対象者に対してオフィスに設置する座席数の割合を検討することが必須となります。
この設定率は、必要な座席数の算出とデスクの数やレイアウトの決定に直接影響します。
たとえば、外出の多い営業部門や会議の多い企画部門は、在席率が低いため、フリーアドレス化によってスペースの効率化が図れるでしょう。
反対に、総務や人事経理のような社内からの依頼や相談が多い部門では、固定席の方が効率的です。
フリーアドレス制の成功の鍵は、職務の性質を考慮しつつ、実際のオフィス環境に合わせた適切な座席設定率を見極めることにあります。
これらの考慮事項を踏まえ、フリーアドレス制を導入する際は、職種ごとの特性やオフィス内の動線、在席率を分析し、最適な座席設定率と運用形態を決定することが成功への鍵となります。
このプロセスは、効率的なオフィス環境を作り出すだけでなく、社員の働きやすさと生産性の向上にも寄与するでしょう。

備品を揃える

フリーアドレス実践には、適切な備品の準備が不可欠です。
たとえば、フリーアドレス用デスクにはキャスター付きやロングデスクタイプなどがあり、これによりワーカー自身でレイアウト変更を容易に行えます。
また、先述した通り個人の荷物を収納するパーソナルロッカーや、荷物の持ち運びに便利なモバイルバッグの準備も重要です。
これらは社員が自席の代わりにどこでも仕事ができる環境を実現するために欠かせないアイテムです。

従業員に周知する

フリーアドレス制を導入するうえでの重要なステップは、「従業員に周知する」ことです。
効果的な周知方法には、オフィス運用マニュアルの作成と公開、社員説明会の実施、社員参加型のルール作りがあります。
これにより、新しい働き方や運用ルールが社員に浸透し、スムーズな移行が可能になるでしょう。
とくに、オフィス運用マニュアルは、新規社員や転勤者にも役立ちます。
このような周知手段を通じて、フリーアドレスのメリットを最大限に活用し、業務効率を高められます。

フリーアドレスに向いている企業

フリーアドレス制は、柔軟な働き方と効率的なオフィス利用を求める企業に最適です。

  • ・部署間のコミュニケーションを強化したい
  • ・オフィスの空間を有効活用したい
  • ・AWSの働き方を取り入れたい

この制度により、従業員は日々変わる環境の中で新たなアイデアや協力関係を育めるでしょう。

部署間のコミュニケーションを強化したい

フリーアドレス制を導入することで部署間コミュニケーションを強化する秘訣は、毎日異なる席に座ることで、普段接点のない部門のメンバーと隣り合う機会が増える点にあります。
たとえば、完全フリーアドレス方式を採用することで、部門を超えた交流が生まれ、新たなアイデアや情報の共有が期待できるからです。
とくに、在席率が低い営業部門や会議が多い企画部門では、空いている席を利用することでスペース効率も向上します。
このように、フリーアドレス制は、オフィス内のコミュニケーションを活性化させて、さまざまな部署間の連携を促進する効果的な手段です。

オフィスの空間を有効活用したい

オフィスの空間を有効活用したい場合、フリーアドレス制の導入が鍵です。
とくに外出が多い営業部門や会議の多い企画部門など、在席率が低い職種を対象にすることで、オフィススペースの効率化が図れます。
また、ノートパソコンやタブレットだけで業務をこなせる職種は、フリーアドレスへの移行が容易です。
逆に、総務や人事など顔がわかっている方が効率的な部門は、グループアドレス制の導入で、柔軟な運用が可能になります。
フリーアドレス制には、社内コミュニケーションの活性化や効率的な空間利用などのメリットがあり、適切な運用でさまざまな職種に対応可能です。

ABWの働き方を取り入れたい

フリーアドレス制は、自由な働き方を促進し、部門間コミュニケーションを活性化する効果的な手段です。
外出が多い営業部門や会議が頻繁な企画部門では、在席率が低いため、フリーアドレス化によりスペース効率が向上します。
しかし、総務や人事経理のような内勤職種では、固定席が効率的です。
フリーアドレス制の導入には、職種ごとの特性を考慮した適切な座席設定率の検討が重要で、完全フリーアドレスとグループアドレスという運用形態を選択可能です。
柔軟な働き方により、社員は自身に最適な環境を選び、生産性を高められるでしょう。

フリーアドレスの導入で浮き出る課題の解決方法

フリーアドレス制の導入に伴う課題は多岐にわたりますが、解決策も存在します。

  • ・ルールを設ける
  • ・グループアドレスを取り入れる
  • ・フリーアドレス制を導入する目的を明確にする

効果的なフリーアドレス制の運用に向けて、具体的かつ実践的なアプローチを探求しましょう。

方法①ルールを設ける

フリーアドレス制を成功させるには、明確なルールが不可欠です。
その鍵は、運用ルールの社内浸透にあります。
具体的には、オフィスの使い方や運用方法を明記したマニュアルを作成し、全社員がアクセスできるようにすることが重要です。
この手法は、社内のコミュニケーション活性化にも貢献します。
また、社員がルール作りに参加することで、運用のスムーズな浸透を促進できるでしょう。

方法②グループアドレスを取り入れる

フリーアドレス制の導入の一環として「グループアドレス」の採用が注目されています。
これは特定のグループ内で指定されたエリア内に席を選ぶ方式で、部署内の連携強化や特定のグループ間のコミュニケーションを活性化することが期待できます。
とくに、会議やミーティングが多い企画部門などに有効で、日々異なる席に座ることで新たな発想や情報交換が生まれる可能性があるからです。
グループアドレス制は、完全フリーアドレスと比較して、特定部門やプロジェクトチームの一体感を保ちつつ、柔軟性と効率化を両立させる効果的な手法です。

方法③フリーアドレスを導入する目的を明確にする

フリーアドレス制の導入は、ただ単にオフィスの席を自由化する以上の意味があります。
この背景には、コミュニケーションの活性化、業務効率の向上、そして従業員の自立と自由を促進するという明確な目的が存在するからです。
実際に、適切なフリーアドレス制の導入は、社内の異なる部署間のコミュニケーションを促進し、創造的なアイデアの交流を生み出す効果があります。
また、オフィス空間の有効活用や従業員の働き方に柔軟性を持たせることにも寄与します。
このように、フリーアドレス制の導入目的を明確にして、全社員がその理念を理解し実践することで、オフィスの機能性と生産性を高めることが可能です。

フリーアドレスのメリットは主に4つ

フリーアドレスのメリットは、組織変更や人数変更に柔軟に対応できる点、コミュニケーションの促進、自律的な働き方の促進、そしてスペースの効率化です。
営業部門や会議が多い企画部門では、在席率が低いためフリーアドレス化することでスペース効率が向上します。また、ノートパソコンやタブレットのみで業務ができる職種では、働く場所に関する物理的な制約がないため、フリーアドレスに移行しやすいでしょう。
ただし、フリーアドレス導入には部下の管理が難しくなる、既得権益の喪失、個々の負担増といったデメリットも存在します。
運用を成功させるためには、明確な目的設定と社内への浸透、適切な運用ルールとツールの準備が重要です。

 

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