オフィス移転時の業者の選び方
オフィス移転では、作業内容に合わせて業者を選ぶようになります。一般的な引っ越しよりも作業内容が多く進捗管理も難しくなり、専門的なサポート体制があると便利です。
それぞれの業者へ依頼するのが煩雑で難しい場合には、プロジェクトマネジメントをしている内装工事業者を選ぶと良いでしょう。
コンセプト立案・図面作成・内装デザイン~工事完了に至るまで、ワンストップで対応してくれます。
本記事では、オフィス移転について、各業者の役割と選び方、かかる費用、利用する際の注意点を解説します。
Index
オフィス移転の流れ
オフィス移転は、計画から移転するまでをおよそ6ヶ月〜1年くらいかけて進めていきます。
流れの概要を把握して、どのタイミングでどの業者が必要になるのか確認しましょう。
【オフィス移転流れ】
- ・オフィス移転の計画を立てる
- ・移転先の物件を探して選定する
- ・旧オフィスの退去解約の手続きをする
- ・新オフィスの設備工事、内装工事を行う
- ・引っ越し業者を選ぶ
- ・移転、引っ越しをする
- ・原状回復工事を行う
- ・オフィス移転の各種手続きを届け出る
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オフィス移転をサポートする業者とは
オフィス移転を行う場合、いくつかの外部業者にサポートしてもらうことになります。
主な、サポートする業者について解説します。
オフィス移転のコンサル
オフィス移転では、クライアントは複数の業者とやりとりを行う必要がありますが、オフィス移転のコンサルに依頼すれば、業者との交渉や手配の窓口となってくれるので、クライアントの業務負担が減ります。
また、専門のコンサルタントが代行してくれるため、慣れない人が担当するよりも時間の無駄もなく、コスト削減できるケースもあります。
オフィス移転コンサルを利用するメリットは、以下のポイントがあげられます。
【メリット】
- ・オフィス移転に関わる悩みが解決できる
- ・オフィス移転の面倒な各種申請を代行してくれる
- ・ワンストップサービスが提供される
- ・業者選びの失敗や負担が無くなる
- ・スケジュールに合わせてオフィス移転ができる
- ・コマコマとした雑事にも対応してもらえる
- ・スケジュールに合わせてオフィス移転ができる
オフィス移転を総合的にサポートしてもらえるのが、オフィス移転コンサルです。
関連記事:オフィス移転コンサルとは?依頼するメリット・デメリットも紹介
内装業者
オフィス移転では、移転前に用途に合わせて新オフィスの内装工事を行います。
内装工事業者には、コンセプト立案・図面作成・内装デザインから工事完了まで一括して請け負ってくれる業者があります。
特にオフィスに特化している業者を選ぶと、スムーズにプロジェクトを進行することができます。
具体的に内装工事には、オフィスの間仕切りをするパーテーション工事や軽鉄工事、通信配線に関わるOA床工事、
空調に関わる設備工事、電気や給排水といったインフラ工事、防災工事、クロスやタイルカーペットなどの仕上げ工事など、内装工事の種類は多岐に渡ります。
内装工事業者はオフィス移転のためのタイムスケジュールに合わせて、各種工事の施工計画をたてて、希望する移転日に合わせて工事を進めていきます。
なお、下記内装工事項目においては、ビル指定業者が工事を行うB工事と、入居者側が依頼した内装業者が工事を行うC工事がありますので注意が必要です。
B工事とC工事の工事区分はビルによってそれぞれ決められているため、ビル管理会社に早めに確認し、移転先のレイアウトや内装仕様が決まった時点でB工事業者にも見積もりを依頼しなければなりません。
【オフィス移転で行う主な内装工事】
- ・パーテーション工事・軽鉄工事(間仕切り壁)
- ・電気工事
- ・照明工事
- ・電話工事
- ・空調工事
- ・給排水工事
- ・防災設備工事
- ・クロス張替え工事
- ・タイルカーペット張替え工事
- ・塗装工事
- ・家具製作
- ・電話、LAN工事
引っ越し
旧オフィスから新オフィスへの引っ越しを一括請け負うサービス業者です。
一般の引っ越し業者との違いは、単なる物品の運送だけでなく、オフィス移転の流れを把握して、会社の重要書類、備品、OA精密機器などを安全に運送できるようにサポートを行うことです。
また、ネット環境の構築にも長けているプロであることや、情報漏洩対策が万全であることなどが求められます。
オフィス移転の引っ越し会社のサービスには、旧オフィスの不用品の買取または廃棄の手配、LAN・電話配線工事やオフィス家具、備品什器の購入などの対応が充実している会社もあります。
また、内装工事業者が引っ越し業者を手配する場合もあります。その場合、工事工程との調整がスムーズに進むというメリットがあります。
不動産業者
オフィス移転を計画するとき、まずは移転先の物件を見つけることになります。
物件探しは、不動産業者を仲介して決めることになります。
不動産業者の役割は、クライアントの希望する移転先の条件をヒアリングして要望通りの物件を紹介することです。
希望する物件が決まったあとの家主との交渉も不動産業者の仕事です。
また、オフィス物件の不動産業者は、普段からオフィス移転に関して精通しているため、いろいろと相談することができます。
不動産業者の仕事は、クライアントのヒアリングから始まり、物件の案内、契約という流れになります。
家具メーカー
オフィス家具の選定は、一般的に内装デザインと同時に進めていきます。
ワークスペースをそれぞれどのような用途で使用するのかによって、選ぶべき家具の機能や寸法、デザインが決まってきます。
そして予算も合わせて考慮しなければなりません。
オフィスの図面作成やデザインを担っている内装工事業者や設計・デザイン会社と一緒に検討していきましょう。
また、必要に応じて家具メーカーのショールームへ足を運んでみるのも良いでしょう。
特に、長時間使用することの多いオフィスチェアは商品によって座り心地もそれぞれです。実際に座り心地を確かめてみるのがベストです。
オフィス移転を業者に依頼することのメリット
オフィス移転をオフィス移転のコンサルやワンストップで対応している内装業者などに依頼するとさまざまなメリットがあります。
時間やコストを節約できる
オフィス移転は、一般の引っ越しと違い、大掛かりな移動作業をスケジュール通りに進める必要があります。
特に大規模な会社の場合は、会社の従業員が対応するには作業内容が多く時間がかかり、その分コストも高くなります。
ワンストップで対応してくれる業者に依頼すれば、担当作業ごとに専門知識や経験を活かして移転作業を進められます。
また、時間とコストの節約になり、引っ越し後の業務開始までの流れがスムーズになります。
ノウハウが無くても移転を進められる
オフィス移転に関わる業者は、各分野のプロが対応してくれるため、はじめてのオフィス移転でも、問題なく行うことができます。
内装工事業者や引っ越し業者などは、今まで別会社のオフィス移転をたくさん経験してきているため、クライアントが気付かない点や疑問点に答えながらサポートしてくれます。
オフィス移転を進める場合は、計画立案と並行して各業者と打ち合わせをするため、ノウハウが無いクライアントでも、安心してオフィス移転を実行することができます。
計画・進捗を管理してもらえる
オフィス移転をワンストップで対応してくれる業者に依頼すると、計画から進捗管理まで請け負ってくれるため、クライアントはオフィス移転の工程を自社で行わずに任せることができます。
オフィス移転には、複数の業者が関わってくるため、各分野の進捗状況を把握して、作業のズレが生じないように進めることが必要です。
オフィス移転がスケジュール通り進行しないと、移転後の生産性の低下や業務に支障が起こる可能性が高くなるため、業者が、スケジュール管理をすることでクライアント側の負担が減ります。
業者選びに際して決めておくべきこと
次に、良い業者を選ぶ前に準備しておきたいポイントを解説します。
予算
オフィス移転の予算は、4つの項目に分けて計画しましょう。
項目ごとに、費用相場を調べてから予算を立てることをおすすめします。
【項目ごとにかかる費用】
- ➀新オフィス退去の費用:不動産取得費用、内装工事費用、設備工事費用など
- ②旧オフィス入居の費用:原状回復工事費用、賃料
- ③引っ越し費用:移送費用、不用品廃棄費用
- ④その他の費用:オフィス移転に必要な書類作成費用
スケジュール
オフィス移転の流れは、およそ6ヶ月から1年くらいで進めるのが一般的です。
オフィス移転には、複数の業者が作業を進めるため、計画通りにいかないこともあります。
作業状況のズレを想定して短くて6ヶ月以上は期間を設けておいた方が安心です。
具体的なスケジュールについては、各分野の作業日数がどれくらいかかるのか打ち合わせを行って調整する必要があります。
特に内装工事の場合は、工事の種類がたくさんあるので、施工計画や工期を把握しておくようにしましょう。
オフィス面積
オフィス物件を探す場合に、オフィス面積のルールについて確認しておきましょう。
「労働安全衛生法」に基づき、オフィス環境を整備するために『社員一人あたり気積10㎥以上』が法律で決められています。一人あたり面積は4㎡程度が目安です。
一定の面積を確保する理由は、職場の換気や温度管理を適切にして社員が働きやすいように環境を整えるためです。
また、設備機器の設置スペースについても、必要な面積が確保できるように、オフィス家具のサイズや数などを確認しておきましょう。
立地条件
オフィスの移転先の立地条件は、会社の顧客や取引先、社員にとってアクセスしやすい場所が理想的です。
また、新オフィスの拠点がどのエリアに所在しているかによって、企業イメージも変わってきます。
立地条件で考慮する際には、以下のポイントを確認しましょう。
【リッチ条件で考慮するポイント】
- ・最寄り駅:ターミナル駅にすると利便性が良く集客力が高まる
- ・金融機関・役所:オフィスから近い、または交通の便が良いところがいい
- ・コンビニ・飲食店:ランチに便利。社員同士のコミュニケーションに繋がる
- ・業界・業種:同じエリアに同業種の会社が集まると業界の活性化に繋がる
オフィス移転に業者を使う場合の費用
オフィス移転にかかる費用について、相場を確認しておきましょう。
退去時にかかる費用(旧オフィス用) | ||
内訳 | 費用 | 備考 |
原状回復工事費 | 3万円〜5万円/坪 | 小規模オフィス(50坪まで) |
5万円〜10万円/坪 | 大規模オフィス(50坪以上) | |
不用品廃棄費用 | 7万円〜8万円 | 2トン車 |
12万円〜15万円 | 4トン車 | |
賃料 | 契約内容による賃料 | 3~6カ月前までに退去予告をする |
入居時にかかる費用(新オフィス用) | ||
内訳 | 費用 | 備考 |
敷金 | 賃料の4〜6ヶ月分 | 小規模オフィス(50坪まで) |
賃料の6〜12ヶ月分 | 大規模オフィス(50坪以上) | |
礼金 | 賃料の1〜2ヶ月分 | ー |
仲介手数料 | 賃料の1ヶ月分 | ー |
保証会社加入料 | 賃料の1ヶ月分 | ー |
火災保険料 | 2万円 | 2年契約 |
前賃料 | 入居月分と翌月分 | ー |
内装工事費 | 25万円〜40万円/坪 | ー |
設備・通信工事費 | 5万円〜15万円/坪 | 1坪あたり |
備品購入費 | 5万円〜30万円 | 社員1名あたり |
引越し費用 | 2万円〜5万円 | 社員1名あたり |
届出の書類作成費 | 10万円〜25万円 | ー |
広告・告知の費用 | 1万円〜2万円 | 社員1名あたり |
関連記事:オフィス移転にかかる項目別の見積もり
オフィス移転に際しての業者の選び方
オフィス移転で業者を選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう。
実績
オフィス移転の業務範囲は多岐に渡るため、実績や経験が大きく影響します。過去に同じような形態のオフィス移転を経験していることで、オフィス移転のメリットを活かすことやデメリットを抑える方法などを熟知しています。
業者を選定する際は、業者のホームページから、実績や過去の事例などをチェックして、実際に打ち合わせをする際は、今までの経験等も含めてアドバイスしてもらうと良いでしょう。
サポート範囲
業者ごとに、会社のサービス範囲は異なります。一般的な情報ではなく、依頼する会社のサポート範囲について確認しましょう。
例えば、旧オフィスの不用品を引き取ってもらう予定だったが、そういうサービスはなかった、というようなことがないようにしましょう。
食い違いがないようにするためには、まずは、自社で依頼したい作業範囲を明確にして、対応可能な業者であるか確認することをおすすめします。
費用
業者を選ぶ際は、1社だけでなく複数社の見積もりを取りましょう。比較することで、費用相場やサービス内容の違いがわかります。なお、見積書には有効期限がありますので、合わせてチェックするようにしましょう。
口コミ
あくまでも参考程度にすることを前提に、ネットで口コミや評判をチェックするのも良いでしょう。口コミや評判は、実際に利用した人のリアルな意見がわかるので参考になります。また、業者の基本情報を知りたい場合は、公式のホームページから確認すると正確な情報が得られます。
業者選び時の注意点
オフィス移転の業者選びについて、主な注意点を3つ紹介します。
オフィス移転の業者を選ぶ際は、移転時期を考えて計画しましょう。
一般的に引っ越し業者の繁忙期は、1〜3月、9〜12月で、この時期の料金は高くなる傾向にあります。
6月から8月くらいになると忙しいピークが過ぎるので、オフィス移転を実行するのにおすすめです。
オフィス移転ではネット工事の配線ミスで、トラブルになる可能性もあります。
新オフィに移転後、速やかにネット環境を整備できるように、専門業者を選んで対応してもらうようにしましょう。
原状回復工事に伴うトラブルもよくあるケースです。
敷金が返却されなかったり、追加費用を請求されたりするなど、不当な金銭トラブルが発生することもあります。
もし、貸主と借主の間で交渉がまとまらない場合は、原状回復をめぐるトラブルとガイドラインより問い合わせて相談すると良いでしょう。
オフィス移転の際は信頼できる業者に依頼しよう
オフィス移転をする際は、経験や実績のあるプロの業者に依頼すると、スムーズな引っ越しができます。
オフィス移転では、作業内容が多いので良い業者を選んでしっかりサポートしてもらうと良いでしょう。
また、予算については、費用相場を調べてからチェックリストを作り、相見積もりをして適切な業者を選ぶことをおすすめします。
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監修者
Hori Keiichiro
COO
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